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雪の回廊を目指して渋峠へ

この日のために今日まで生きた来た! …ここ二ヶ月ほどではあるけれど…。 ^^;

雪の回廊 の写真を撮るための努力は怠らなかった。「4/23 は晴れますように〜。晴れますように〜。」と祈り続けたのだ。「登れる足になりますように〜。なりますように〜。」とも祈ったかな。 ^^;

なぜ、この日が重要だったのか? その理由は二つ。一つは、この日を逃すと、もう来年まで 雪の回廊 の写真を撮れないからだ。雪は溶けるし、排気ガスで白さも失われてゆくだろう。そして、 自転車と雪 という違和感満載のショットはとても貴重だからだ (雪の上を自転車で走るというのは、一部の MTB 系の人たちぐらいで、通常はシーズンオフになるからね)。

プロローグ

それは二月のことだった。

コガさん「除雪開通式が 4/22 に決まりましたね。 ^^」
ワタシ「ん? じょじょじょ開通式って何???」
コガさん「あれ? 雪の回廊をご存じないですか? 有名ですよ。 ^^」

慌ててネットで調べると、 フロ・デ・リタイア【志賀草津ステージ】現地レポ がヒットした。

ワタシ「な、何これ! チョー絶景! 観たい!! 撮りたい!!!」
コガさん「でしょ? ^^ ただ、遅くなると、あんまり綺麗ぢゃなくなるんですよねぇ〜」
ワタシ「ぢゃ、もう、 4/23 確定で!!」
コガさん「渋峠は日本国道最高地点で、標高 2,200m なんですよねぇ〜。」
ワタシ「む…。そ、それは…。 (–;」
コガさん「まあ、草津口から 30Km ほどで、平均斜度は 6% らしいですけどね。 ^^」
ワタシ「なんだ。 6% なら距離が長くても登り続けられるぢゃん。 ^^」

こうしてスケジュールが決まったが、これが罠だと知るのは、当日のことだった…。

今回、走ったコースはこちら。位置関係を把握できるように、東京から能登半島までを入れてみた。最近、だんだん地図の縮尺がおかしくなってる気がする。 ^^;

変更されたスタート地点

草津口までの輪行は、電車の乗り継ぎがよろしくないということで、数日前に軽井沢スタートに変更することになった。だがこれは『まさか、ヌルい 6% の坂を一本走るだけで終われると思ってるんぢゃねぇだろうな?』という恐怖のコガ道場トラップだったと思われる。しかし、憧れの雪の回廊へ行けるとなれば、ちょっとやそっとのことは些事だ。 天使の心 状態になっている私は快よく承諾し、スタート地点の軽井沢へ向かうことにした。

当日、少し寝坊して慌てて出発したので、ウォーターボトルとウィンドブレーカーを忘れるという失態をしでかしてしまった。後々、これが響いてくるのだが、東京駅ではニコニコ、ワクワクしっぱなしで、気にしていなかった。 ^^;

生まれて初めて北陸新幹線に乗った。なんか、シュッとしててかっこいいぞ。 ^^

乗りなれた東海道新幹線より豪華な気がする。座席は広いし、冊子と電源もついてるし。 ^^

今回は、緩い坂を登るだけのフォトポタ (と勘違いしている) なので、観光気分で駅弁を堪能してみるなど。「うまぁ〜 ^^」

待ち合わせの軽井沢駅。「これが避暑地として有名な軽井沢か〜。標高 1,000m は、やっぱりちょっと肌寒いなぁ〜」そんなことをつぶやきながら、自転車を組み立てた。朝は生憎の曇天だけど、昼には晴天の予報になっていて、絶景ライドを予感させる。

補給に立ち寄ったコンビニで撮影。標高 1,000m では、今が桜の満開って感じだ。

軽井沢から峰の茶屋までのヒルクライムは、400m Up ほど。平均勾配は 8% ぐらいだったと思われる。まだ、胃の中で消化しきれてない駅弁を吐き出してしまいそうなほど、なかなかしんどい坂だった。後ろからコガさんのプレッシャーもあり、メインディッシュの前のオードブル坂だというのに、かなり脚を消耗してしまった。頂上から 600m ほど下り坂が続くので、そこでの回復に期待して、先を目指した。

下り坂に入ると、視界が開けて山に囲まれた絶景の中を爽快に走ることになる。景色はいいし、ペダルを回さなくても進むし、晴れてきたし…で、気持ちの良さは満点。このままずっと下り続けていたい気分だ。 ^^

ひたすら道なりの下り坂なので、コガさんを置き去りにして爆走し、途中で見つけた ビュー・スポット で記念撮影中。だが、待てど暮らせどコガさんが来ない。歩き回って撮影している間に、どうやら過ぎ去ってしまったらしい。慌てて追いかけて、麓で無事に合流した。

遥かなる渋峠を目指して

「いよいよ、ここから本番ですね。 ^^」とコガさん。補給に寄ったコンビニの前の交差点を、多くの車やオートバイ、そしてロードバイクが走って行く。

『これを登り切れば、念願の雪の回廊だ! ^^』と、意気揚々と登り始めるが、草津からのヒルクライムは甘くなかった。

ワタシ「あの…。さっきから私の CatEye には、10% とか 11% とかが表示されっぱなしなんですけど…。」
コガさん「ですね。私の Garmin もそんな感じですよ。 ^^」
ワタシ「…いや、そこぢゃなくって…。 6% ぢゃなかったでしたっけ?」
コガさん「そうですねぇ。なんででしょうねぇ〜。 ^^」
ワタシ「フォトポタってゆーより、ヒルクライムぢゃないですか…。 (TT)」
コガさん「景色、道の広さ、交通量、斜度…籠坂峠を思い出しますね。 ^^」
ワタシ「(TT)(TT)(TT)」

ぐぬぬぬ…。今回も、騙されたかぁ〜。 (><)

標高 2,000m まで上がるということで、厳冬期装備で走っていたのだが、そこへ至るまでのヒルクライムでは、やはり暑すぎた。途中でインナーウェアを一枚脱いで腰に巻くなどしていると、ロードバイクで颯爽と登って来た若者に「いや〜、今日は暑いっすねぇ〜。紫外線がやばいっすねぇ〜。 ^^」と声をかけられた。そして、にこやかに、とっても爽やかに、そのまま駆け上って行ってしまった。かっこいい〜。 ^^

カタツムリペースで粘りに粘って、なんとか草津温泉手前の 道の駅・草津運動茶屋公園 へ到着した。ここへ至る少し前の道路が、40Km/h で走ると音楽の聞こえるメロディーロードになっていた。自転車では (おそらく軽すぎて) 音が鳴らないのだが、追い抜いていく車がメロディーを奏でてくれた。 ^^ こーゆー細工は好きだなぁ〜。^^

Twitter を確認すると、雪の回廊や渋峠の写真がアップされ始めている。除雪開通式の翌日の週末ということで、やっぱり結構な人たちが渋峠を目指して走っているようだ。別に一緒に走っているわけぢゃないんだけど、不思議な連帯感を感じる。 ^^

ランチは 上州ひもかわうどん をチョイス。太くて薄いうどんなので、きしめん…いや、ワンタンに近いかな。疲れた体に塩気はありがたく、美味しく頂いたのだが、出汁文化の関西人としては、真っ黒な醤油のスープはビジュアル的にちょっと残念な感じがする。ちまきはイマイチ…。郷土グルメと思うと、ちょっと悲しいので、カロリー補給と考えることにしよう。 ^^;

ランチを済ませて走り出すと、すぐに草津温泉を過ぎ、いよいよ渋峠への登り坂となる。いきなり左側に湯気の沸き立つ場所 (温泉が湧いてる?) があり、非日常を感じさせるヒルクライムが始まった。一瞬、テーマパークのアトラクションに入ったような錯覚を覚えた。

殺生河原まで 500m と迫ったところにある看板。硫化水素にやられてしまわないように…という警告の意味なのだが、私が通った時は、あまりにも強烈な悪臭だったので、そもそも駐停車してられないんぢゃないかと思った。 (><) 草木のない岩場で、道路の左右の岩陰からシューっと蒸気が吹き出しているその場所は、まるでビッグサンダーマウンテンのよう。

そして、絶景の中を登り続ける。

草津温泉を過ぎてからは、確かに平均斜度は 6% ぐらいだった。勾配計の表示は 5 〜 7% ぐらいで、一応、ペダルは回る。

だが、軽井沢からの急坂と、草津温泉までの急坂で消耗した体には、なかなか厳しい。 (><) そして、ボトルを忘れた私が持っているのは、コンビニで買ったペットボトル。走っている間は給水できない。水を飲むために、何度も脚を着きながら、なんとかペダルを回し続ける苦行になっていた。

ワタシ「ぐぬぬ…。しんどい…。 (><) そうだ! 私が登るんぢゃなくって、雪の壁が降りて来ればいいんぢゃない? 下りなんだし。」
コガさん「いいですね! ^^ ぢゃ、雪の壁まで行ったら、押しておろしましょう。 ^^」
ワタシ「結局、登るんかい! (><)」

そんなバカ話を織り交ぜて、疲れを紛らわせながら、登り続ける。

何度も現れる、絶景に次ぐ絶景。疲れた体だが、この風景を見ると、まだ、頑張れる。^^ 「静かにしろい。この音 (景色) が…オレを甦らせる、何度でもよ。」(by スラムダンクの三井寿)

たまたま水を飲むために足を止めたのが弓池。まさか、四月末に凍結しているとは思ってもいなかった。せっかくなので、ちょっと撮影タイム。少しは足が回復したかな?

だんだん雪が残るエリアに入ってきた。いよいよご対面か!!

そして頂

悲願達成!! \^^/

雪の壁!! これを撮りたかったぁ〜。 ^^

そして、雪の回廊!! くぅ〜、感動!! ^^

到着が遅かったので、晴れ間は過ぎて曇りに戻ってしまった。青空ぢゃないと画竜点睛を欠く感じだが、来年、再チャレンジすればいいさ。何度も来たくなる場所だしね。 ^^ よし、また、今日から祈り始めるぞぉ!! ^^;

満足したところで、最後にもうちょっとだけ登って渋峠へ。

これが日本国道最高地点だ! ^^ ちょっと人が多くて、慌てて撮ったので、タオル巻きのボトルを抜き忘れた。 (><) これは遠くない未来に改めて撮り直しに来よう。 ^^

喜びのポーズをコガさんに撮っていただいた。 ^^

立っていたのは、群馬県と長野県の県境。面白い場所だ。 ^^

さて、今回の目的は全てクリアしたので、帰るとするか…。

コガさん「殺生河原のゲート、 17:00 で閉まっちゃうんですよ。」
ワタシ「マ、マジ? 今からだとギリギリですね。(–;」
コガさん「そうなんですよ。」
ワタシ「帰れない…。野宿っすか? (><)」
コガさん「長野側に降りる手はありますけど、どうしましょ?」
ワタシ「ゲートクローズに間に合わなかったら、登り直しですよね? …もう、長野側に降りちゃいましょう。」
コガさん「ですね。 ^^」

予定外の電車賃が発生してしまうのは、ちょっと痛いけど、焦って下って事故でもしたら目も当てられないので、ここは英断。

長野側へ下る途中でも、やっぱり絶景。 ^^ 雪国の風物詩であるスノーシェッドの下を走ったりもして、爽快な下り坂だった。

エピローグ

長野駅から新幹線ワープして、東京駅に着いたのは 23:00 を過ぎていた。

怪しげな雰囲気を醸し出す、夜の東京駅。 帝都物語 を思い出したが、駅前には人が多く、タクシーも列をなしている。さすが大都会東京。

東京駅からは 10Km 少々を夜のサイクリング。『夜の東京も、都会の喧騒も、また違った風情があるなぁ〜。』そんな穏やかな心で走れたのは、厳しくも満足度の高い渋峠を経験したからだろうか。