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風邪のアワイチポタリング

約束のアワイチの朝、起き上がると粘り気のない透明な液体が鼻からポタリ。『げ…。風邪が治ってない…。 (><)』軽く身体をチェックする。頭痛はない。喉の痛みも引いている。関節や胃腸も気になるところはない。『ふむ…。鼻だけか…。これなら自転車に乗ってれば治るだろう。 ^^』というわけで、着替えて出発の準備を始めた。

なんと、今回はレーパンデビューの日。生まれて初めて、真新しいレーパンを履き、太陽の下に素足を晒すのだ。なんか、恥ずかしいぞ。 ^^;

プロローグ

今回走るのは、説明不要の淡路島。こいつを自転車で走って縁取りしようというわけだ。一周 150Km ほどで、海辺を走る平坦路。楽勝のハズなんだが、今回はいつもと少し勝手が違う。確か二週間ほど前だっただろうか…。

ムース「お前、アワイチ走るってゆーてたやん。あれ、4/30 やったら車に積んだるけど、どーする?」
ワタシ「へ? ムースもアワイチ走るってこと?」
ムース「うん、まあ、なぁ〜」
ワタシ「… (--; 150Km やけど大丈夫?」
ムース「お前は大丈夫なん?」
ワタシ「いやいや。オレの心配はいらんやろう。 ^^; それより、今までに 100Km 走ったことってあったっけ?」
ムース「いや。ないよ。」
ワタシ「ま、まじか…。 ^^; ちょっと厳しいと思うけど、大丈夫かぁ?」
ムース「まあ、なんとかなるやろう。」
ワタシ「そ、そーか…。まあ、本人がそーゆーならいいけど…。^^;」

そんな感じで一緒に走ることになったのであった。

ムースは、中学時代の部活の副主将で、私に自転車を教えてくれた一人なんだけど、基本的にジテツーの人。毎日のように自転車に乗っているとはいえ、そこまで長距離は走っていないらしい。そして所有車はロードバイクではなく、クロスバイクである GIANT Escape R3 だ。クロスバイクで 150Km を走るなんてバカなことを…と天に唾を吐いてみる。 ^^;

車で迎えに来ていただいて、自転車を搭載。固定具は自作だそうな。

淡路島到着。ハイウェイオアシスをベースキャンプにして、いよいよアワイチチャレンジへ。

前半は西側を南へ

アワイチは時計回りが一般的らしい。丁字路で交差しない側になるので走りやすいし、逆周りだと、写真を撮るときに道路を横断しなければならなくなるから、まあ、そうだろうね。 ^^;

だが、あえて反時計回りに走ることにした。なぜならば…。

まずは、明るいうちに 北淡震災記念公園 に行きたかったからだ。ここは 野島断層 を保存してあるところだ。熊本へ行くわけにはゆかないが、かつての阪神大震災を思い出すことはできる。そのことに何か意味があるような気がしたからだ。

「あの時にこんなことやあんなことがあった。きっと、熊本の人たちもそんな状況だろうなぁ…。」などと、ひとしきり昔話をして、神妙な面持ちになるも…。

「ちょっと商業化され過ぎぢゃない?」と べっちゃないロック を見ながら思ったりなんかも…。もうちょっと防災意識を持つような作りの方が似合う場所のような気がしないでもない…。

それはともかく、今回の目的は淡路島を一周すること。九州の人たちの復興を願いつつも、走り出すことにした。まだ 130Km 残っている。

私のサイクリング写真は、いつもは山が多い。今回はアワイチなので、ほとんどの道のりで視界に海を捉えながら走ることになる。山の風景とはぜんぜん違うけれども、めちゃめちゃ爽快だ。 ^^

そして前を走るのがムースだ。ご覧の通りの巨体で、推定体重 120Kg ほど。う〜ん、 120Kg を人力で 150Km 先まで運ぶのか…。大丈夫か? ^^;

そう。走る前から不安だったのが、この体重だ。自転車の保証外の重量なので、買った当初はスポークが折れまくったという逸話があるほど。 (><) はたして最後まで自転車が持つのだろうか? ^^;

だが、予想に反してなかなか速い。 30Km/h 前後で快適に走っている。『ふむ…。このスピードで走れるなら、まあ、いい感じの時間でアワイチできるかな?』そんなことを思いながら追走する。風よけとしての性能は抜群だしね。 ^^;

コンビニで小休止。

ワタシ「ええ感じのスピードで走れるんやな。予想外やわ。 ^^」
ムース「うん。ここまでは頑張ったよ。ゼーゼーハーハー。」

おや…? よく見るとなかなか汗ばんでいる。ここまでの私の心拍数は 140 弱ぐらいで、汗を掻くほどではなかったのだが…。 ^^;

ワタシ「おいおい。その調子で 150Km 走れんのか?」
ムース「ん? わからん。 ^^;」
ワタシ「長丁場やから、少し落とした方がええよ。」
ムース「そやな。んぢゃ、お前が引いてくれよ。」
ワタシ「お、おう…。 27Km/h ぐらいなら大丈夫か?」
ムース「ぢゃ、それで頼むわ。」

というわけで、前後を交代して、前を引いてみる。だが、ちょっとした登りで、距離が開いてしまう。最初の 30Km/h は、かなり頑張って走ってたようだ。

この頃には、追いついてくるのを待つ間に景観を撮る、というポタリング満喫モードになっていた。青い空と海で、気分はまるで南国。 ^^

平坦路の淡路島とはいえアップダウンはゼロではない。ちょっとした上り坂になると息がとっても苦しくなって、私もけして楽ってことはなかった。なぜならば、鼻水が垂れてくるので、マスクをして走っていたからだ。 (^^:

南あわじ市での待機中に愛機を撮影。ここは少し海沿いから離れた街中を走る。

風力発電の風車。風車の向きって揃ってないんだねぇ〜。ほとんど風のない日だったからかな?

この頃には 25Km/h 巡行に落としていたが、それでも一緒に走ることは難しくなっていた。初めて一緒に走ったので、お互いの走力がわからず、最初にかなり無理をさせてしまった私のミスだった…。 (><) 頭の中では、ショートカットコースや、引き返すことも選択肢に入れながら走っていた。

西側は 淡路サンセットライン と名付けられているのだが、赤く染まった海、沈みゆく太陽を見ながら自転車で走る、ってのは気持ちよさそうだ。だが、今回は逆回りなので、海と空の青を堪能。

淡路島も南側に入ると、少し山がちになるけど、だいたいが標高 100m ほど登るぐらいなので、初心者でも走破できるぐらいだと思われる。

頂上が近づくと道の向こうに海がチラッと見える。この チラ海 は、いい感じで頑張ったご褒美になる。「よっしゃ! 登りきった!! 」という気分が沸いてきて、好き。 ^^

いよいよ 鳴門大橋! が見えてきた。こーゆー景色を見ると、俄然、元気になる。南端までもう少し。ランチ予定の福良まで、もうひと頑張りだ。 ^^

道の駅 福良 に到着。ランチメニューは 釜揚げしらす丼 をチョイス。塩気がいい塩梅で、たまら〜ん。 \^O^/

ここは観潮船の船着場になっているようだ。まずは 日本丸

そして 咸臨丸 。有名な 鳴門の渦潮 は、これらに乗って観に行くらしい。てっきり、鳴門はいつでも渦潮が発生している場所なんだと思っていたが、時間帯によるのだそうな。渦潮を観るために旅行されるなら、いい時間を調べて行ってくだされ。 ^^

後半は東側を北へ

食事を終えて、帰路へ向かう。

ワタシ「ここからだと山の間を抜けて、洲本へまっすぐ抜ける道があるみたい。その方がちょっと距離が短くなるけど、どーする?」
ムース「28号線やろ? 平地とは限らんしなぁ〜。」
ワタシ「地図を見る限り、明らかな山越えってのはなさそうやけど…。」
ムース「せっかく淡路島に来たのに、海辺を走らんともったいないやん。水仙卿のあたりはヤバイらしいけどな。 ^^;」
ワタシ「う、うん…。足の調子は大丈夫か? 痛みとかないの?」
ムース「ぜんぜんなんともないでぇ〜。」
ワタシ「そ、そうか。なら、海沿いで行くか。」

という感じで、当初の予定通り、海沿いを走り続けることになった。多分、私に気を使っているのだろうなぁ〜と、ちょっと申し訳ない気持ち。まあ、ハプニングも旅の醍醐味だし、何があってもそれを楽しもう…と覚悟を決めることにした。

ビーチの横を快走。 ^^

淡路島にもいい感じの急坂がある!! ネタ写真的に。 ^^;

この後、今回の最高標高 160m の山越えがあった。海辺から一気に登る急坂で、勾配計は 8 〜 11% を表示し続けていた。 100m ほど登ったあたりで、『この坂、やばいぞ…。あいつ、登れないんぢゃないか???』と不安がよぎる。

ひとまず頂上まで登って標高を確認し、水分を補給して、迎えに下りることにした。下りのカーブを回る毎に『ここにいてくれ〜。』と祈っていた。下れば下るほど、登り返すのが大変になるからだ。 ^^;

幾つかのカーブを曲がったところで、自転車を降りて押し歩いている彼の姿が目に入った。

ムース「心配かけて、すまんな。ゼーゼー、ハーハー。 (><)」
ワタシ「もう、半分は超えてるよ。残り 50m アップぐらいやから、ゆっくり登っておいで。」
ムース「おう。もう心が折れそうやわ。 ゼーゼー、ハーハー。 ^^;」
ワタシ「まあ、焦らんと。 ^^;」

そして、再び頂上を目指して登った。漫画 のりりん の6巻に登場する マスタング方式 ってやつだ。走力に差がある時のサイクリングの楽しみ方で、速い人はゴールから折り返して最後尾に戻り、もう一度ゴールを目指すというもの。

他の方のブログを読んで、こーゆー楽しみ方をしている人たちがいることは知っていたが、まさか自分がマスタング方式をやるなんて想像したこともなかった。これぢゃぁまるで、 登れる人 みたいぢゃないないかぁ!! ^^;

頂上に着いてしばらく待っていると、息を切らしながらも頑張って登ってくる姿が見えた。

ワタシ「お疲れ〜。 ^^ ここはキツかったなぁ〜。 ^^;」
ムース「さすがに諦めかけたわ!」
ワタシ「だろうね。 ^^; でも、頑張れたやん。 ^^」
ムース「途中、お前に車の鍵を渡して、迎えに来てもらうかと思ったわ。 ^^;」
ワタシ「ハハハハ… ^^;」

こーして、無事に最大の難所を越えたのだった。

山を下って海沿いへ。向こうに見えるのは友ヶ島かな。

なんか不釣り合いな看板を見つけたので、とりあえず激写。営業してるのかどうかも怪しい雰囲気だったけど、 探偵ナイトスクープ で取り上げられたのはいつのことだろう? ^^;

この辺りからだんだん夕暮れに向かって暗くなってゆく。

夜になってからは、ハグれると合流が難しくなってしまうので、私が後ろから付いて行くことにした。ほぼ平坦路で、ほとんど風もなく、いい感じのペースで走り続ける。けっこう交通量が多く、場所によっては街灯がないところもあり、慣れないと夜間走行はちょっとつらい場所ではある。

最後まで走りきれるように、休憩を多めに取っているつもりなのだが、それでも前を見ると、ペダルを休めている時間が長くなってきていた。私に手伝えることは何もないので、最後まで走れるように見守るばかりだ。

『しかし、長いなぁ…。そろそろオレも疲れてきたぞ…。』そんなことを思いながらカーブを曲がると、突然、ライトアップされた明石海峡大橋が見えた。「おぉ! もうすぐゴールだ!!」 ^^

最後に岩屋からハイウェイオアシスまで、急坂を登ってゴール。

ワタシ「やったぁ! ゴールやぁ!! 走りきれたやん!!!」
ムース「明石海峡大橋が見えるまでが、めっちゃ辛かったわぁ。 ^^;」

なんとゆーか…。二十四時間テレビのマラソンランナーの走りを真横で応援し続けたマネジャーの気分はこんな感じだろうか? ^^;

いつもは自分より走力のある人と一緒か、一人で走るかだったのが、誰かのサポートのような感じで走ったのは、初めての経験だった。不安から始まったアワイチだったが、終わってみれば、いつもとちょっと違う爽快感を感じていた。 ^^

思った以上に時間はかかったが、とても充実した、密度の濃い一日だった。 ^^