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自転車の聖地、しまなみ海道 - 後編

自転車の聖地、しまなみ海道 - 前編 の続き。

前日は、尾道から今治まで走ったが、一夜明けて、今度は逆に今治から尾道まで走り抜けてゆく。前日に行かなかったところに寄るということで、 亀老山 へのヒルクライムが待ち受けている。走りやすいペースで走ってくださった女性ライダーは別行動なので、豪脚のみなさんと一緒に上ることになるのだが…こ、こ、怖い…。 (><)

一方で、天気予報は曇りから晴れに向かうようで、絶景のしまなみ海道に期待が膨らむ。楽しみと恐怖心が入り混じった、二日目が始まる。

プロローグ

大部屋で雑魚寝している中、誰かのスマホからアニソンが流れる。朝だ。どこで鳴ってるのかわからないが、なかなか目覚めないようだ。

眠たい目を擦りながら、自分のスマホで時刻を確認する。『5:30 a.m. か…。そーいえば、女将さんが屋上から日の出が見えるって言ってたなぁ〜。』と思い出し、カメラを持って屋上へ向かった。先客はイシワタリさんとシンカワさんの二名。朝の早い人たちだ。 ^^; 日の出までは少し時間がある。軽く雑談を交わしながら時を過ごした。徐々に薄明るくなってきたが、曇っているように見える。しばらくすると、マエダさんもやって来た。自転車乗りは、朝に強いねぇ〜。 ^^;

日の出の時刻は過ぎた。どうやら太陽は雲の向こうのままのようだ。残念ながら、朝焼けは見れなかった。少し肌寒い港の夜明け後にして、四人で食堂へ向かった。

早朝からスタッフの方々の笑顔に迎えられてのホテルの朝食。魚がうまい。ご飯と味噌汁はお代わりできるとのこと。およそ 100Km の道のりを走るので、しっかりお代わりした。 ^^

出発予定の 8:00 a.m. が近付く。準備を整えて、ホテル前に集合する。

マツイさんの自転車。ディープリムが眩しい。いよいよ、尾道に向けて出発だ。

大島

今治を抜けて、長い来島海峡大橋を渡り、大島へ入る。そして、初っ端からいきなり本日のメインイベント (?) 亀老山 の入り口の交差点に着いた。先行していた二名が分岐点に気付かずに行き過ぎてしまったようで、少し待つことになったのだけど、「上りは苦手なんで、先に行っときます!」と他の二名が 亀老山 へ行ってしまった。この時、実は私は状況を理解していなかった。『ん? 何を待ってるんだろ?』と考えていた。一緒に先行すべきだったのに…。 ^^;

標識を見ると、 亀老山 の展望台まで、 3.5Km となっていた。標高は目算で 300〜400m と行ったところで、平均斜度は 10% 前後と思われる。これまでに似たようなところを上ったことはあるので、上れなくはない。上れなくはない…のだが…。

行き過ぎていた人たちが戻って来たところで、ヒルクライムスタート。なかなかのペースで上ってゆく。『ぐぬぬ…速い…。どこまでついて行けるだろう?』と思うや否や 10% を超える激坂区間に入り、前方の集団が徐々に遠ざかってゆく。カーブが現れる毎に、少しずつ見えない時間が長くなる。そして、少し斜度が緩くなったところで、完全に見えなくなってしまった。貧脚の私は、斜度が落ちても既にペダルを回せなくなっていた。残り半分ほどの上り坂を耐えるペダリングでひとり旅。

残り 1Km ぐらいのところで、蛇行走法しているイシワタリさんに追いついた。「こんな激坂、まっすぐ上るなんて無理!」とのこと。めっちゃわかる〜。 (TT)

休むダンシングを織り交ぜたりしつつ、しばらく後ろについていた。ちょっとは回復しただろうか? 残り 500m の看板手前で、最後の踏ん張りで前に出た。 500m がとてつもなく長く感じた。

息も絶え絶えに、なんとか上りきったところを激写されていた。 ^^;

亀老山展望公園到着。もう、ペダルを踏む力は残ってない。「すみませんけど、タクシーを呼んでもらえますか! (><)」

私が着いた時には、みなさん 亀老山売店 でアイスを食べていた。

ワタシ「残り 500m の看板からが、ぜんぜん遠くて…。ホントに 500m なんですか? (TT)」
大将「あそこねぇ、残り 500m から坂がキツくなっとるんですわぁ。」
ワタシ「(TT)」

なんか親近感のある話し方だなぁ〜と思っていたら、売店の大将は、以前は大阪で商売をしてらっしゃったとのこと。なるほど。 ^^

アイス休憩のあとは、みんなで歩いて展望台まで上った。眺望は霧の中だけど、昔のゲームの MYST のオープニングを思い出させるような風景で、こーゆーのも悪くない。

記念撮影したりなんかして、安全に激坂ダウンヒルして、次の目的地 村上水軍博物館 へ向かった。

村上景親公。

博物館を見学する人たち、ロビーで休む人たちに分かれたようだが、私は喫煙所で一服。シンカワさんもやって来た。二人でダベリングしていると、花咲か爺さんぽい風貌の職員の方がいらっしゃって…。

花咲か爺さん「どっから来たん? ^^」
ワタシら「東京です。今治に泊まって、尾道へ向かう途中です。」
花咲か爺さん「元気やねぇ〜。若いねぇ〜。 ^^」

と、会話が始まり、徐々に村上水軍の講座へと話が流れていった。 15 分ぐらいだろうか? 瀬戸内の海賊の概要と歴史をたっぷり語ってくださった。「君らは、博物館を見学しとる人らより、たっぷり勉強したで。ガハハハ。 ^^」と親しげに笑う職員さん。名残を惜しみつつ、次へとペダルを漕ぎ出した。

大島の海岸を走り抜ける。

伯方島

橋の伯方島側の景色。だんだん晴れて来た。 ^^

橋を降りて道の駅で小休止していると、 伯方の塩ラーメン さんわ の看板が目に入った。 5.5Km 先。 3 つめの信号すぐ と書いてある。3 つめの信号なら近そうだが、 5.5Km は徒歩で一時間以上の距離だ。近いのか遠いのか、脳が混乱気味だが、どうやら行くことになったらしい。進行方向は尾道とは逆方向なので、プラス 11Km 追加が決定した。 ^^;

そんなにキツくはないが、上り坂を駆け上ってゆく。そして下り坂。けっこう遠い気がしてきた。漕いでも漕いでも信号が現れない。「信号なんかないやん!! ^^;」という状況に、思わず苦笑いが出てしまう。結局、信号が現れたのは 4Km 過ぎてからだったと思う。 3 つめの信号 は、うまい宣伝だと思った。 ^^;

三和に到着。 瀬戸内を味で伝える伯方の塩ラーメン だそうな。遠回りしてまで食べに来たんだから、これで味がよろしくなかったら…。 ^^;

伯方の塩らーめん。「う、うまい! ^^」看板に偽りなし! 瀬戸内の味がする…ような気がする。^^; 濃過ぎず、薄過ぎず、とっても上品で絶妙なスープ。遠回りして食べに来た甲斐があった。 ^^

私が頼んだのはタコ飯セット。 ^^; これもうまい。前日の しま一 には申し訳ないけど、次に来ることがあれば、こっちを食べたいと思った。 ^^;

お腹は満たされたので、尾道へ向けて出発!!

晴れたので、伯方島の景観を楽しみながら走った。

この景色、気持ちいい〜。 ^^

往路で堪能した大三島は通過。

生口島

しま一 の前を通ると、自転車がいっぱい止まってた。繁盛してるようだ。大将、良かったね。 ^^ ジェラードの店も人気のようだった。 ^^

南国のような景色だ。 ^^

晴れた海岸線は気持ちいい〜。 ^^

因島

因島に入った。晴れてる景観が見れて幸せ。 ^^

これぞしまなみ海道。爽快、爽快。 ^^

…でもね…。高速巡行についていけない。写真を撮るためにトレインから離れて少し距離を開けると、そのまま置いていかれる。追いつこうと思って、スプリントしてみたんだけど…。集団は私のスプリントスピードが巡行スピードのようだ。これは踏んでも縮まらないので諦めた。 ^^;

ひとり旅で迎えた最後の因島大橋。橋の上は平坦なのに、ぜんぜんペダルを回せない。 亀老山 のヒルクライムで足が終わってたようで、20Km/h 前後で、なんとか…って感じだ。 ^^; ゆっくり走る分、他の人より景色を楽しめるからいいのだ。 ^^

向島

向島へ入った。もう、橋 (上り坂は) はない。

のんびり景観を楽しみつつ…。

渡船のりばに到着。自転車を降りて…

渡船に乗って…

尾道到着! ^^ やったぁ〜! しまなみ海道、往復達成だぁ〜!! ^^v

エピローグ

二日で走った距離は 190Km ほど。いや〜、楽しかった。このコース、好きだわ。 ^^

上り続けるのはしんどいし、平坦だと飽きるし…で、アップダウンするコース、景色が変わるコースが好きなんだけど、しまなみ海道は最高かもしれない。補給の心配もなく、道に迷ってもたかが知れてるし…さすがサイクリストの聖地だ。 ^^

たまたま、家から近くて、Trek を扱ってるプロショップということで、 サイクルパイン とご縁があり、今回のしまなみ海道に至ったわけだけど…。この出会いがなかったら、今回の参加者のみなさんと出会うこともなかったと思うと、人生って面白いなぁ〜と思う。自転車に乗るようになって良かったなぁ〜と思う。 ^^

そんなことを考えながら、しまなみ海道を後にした。

帰りの新幹線では、もちろん駅弁。 ^^

しまったぁ〜!! iPhone で写真を撮るのを忘れてたから、写真の少ない動画になってしまた。^^; 二日目は晴れたので、コンデジばっかり使ってたから…。 ^^;

復路は全行程を記録できた。 ^^