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ジャスト ライド

ジャスト・ライド──ラディカルで実践的な自転車入門 (ele-king books)
グラント・ピーターセン
Pヴァイン (2016-10-24)
売り上げランキング: 10,151

自転車に関する本なんだけど、現代の 自転車はすべからくレースを目指すかのような風潮 にアンチテーゼを唱える内容で、賛同する人もいれば、反対する人もいそうな、なかなか刺激的な内容の本だった。

今はロードバイクブームらしい日本。おおよそロードレースのフィードバックを受けたカーボンロードバイクが花盛りで、ビンディングシューズにレーシングウェアを身にまとう風潮がブームの大きな潮流だろうか? 私も例に漏れず、レーパン、ビンディングシューズでカーボンロードバイクに乗っている口ではあるのだけど…。 ^^;

もともとクロスバイクで始めたスポーツサイクル。峠にはクロスバイクでけっこう行ったし、 180Km 走ったこともある。「ロードバイクならもっと速く走れますよ。 ^^」「ロードバイクなら、峠が楽になりますよ。 ^^」と煽られてロードバイク生活に入り、それは確かに真実だったし、ロードバイク生活はとっても楽しいものではある。

だけど…。

一方で、カーボンホイール自慢や高級コンポ自慢に違和感も感じている。なんか、ブランドバッグ自慢に似てる気がするな、と。盛り上がる共通の話題としてネタになるのは理解するけど、それより、絶景ポイントや魅力的なコース、美味しい郷土料理の話の方が私は好きだ。レースで上位を目指せるような走力ではないからかもしれないけれど…。 (><)

もちろん、高価な自転車パーツは高性能だ。だけど、その性能差は貧脚を補うほどの大きなものではない。レースを楽しむ人なら、そこにお金をかける価値があるのは間違いないけど、レース以外の楽しみ方をする自転車乗り アンレーサー にとって、目指す頂点がプロレーサー仕様となっている現状は、けして望ましいことではないだろう…と、著者は警笛を鳴らす。普段着でいいぢゃない! フラットペダルでいいぢゃない!! 長距離走らなくてもいいぢゃない!!! 自転車の楽しみ方は千差万別だ!!!! と。

まあ、著者の考えに概ね賛成かな。レーシーな格好よりも、もうちょっとカジュアルなファッションで自転車に乗りたいし、ダウンチューブの大きなロゴも、なんか宣伝みたいだし…。数年後に乗り換える時は、おそらくオーダークロモリフレームだろうなぁ〜と思っている。